東都文京病院について

 新年明けましてお目出度とう御座います。

 皆様におかれましては、新春を晴々しい気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。さて、お正月の定番料理と言えば“おせち”です。“おせち”とは季節の節目を祝って食べる料理で、現代ではお正月を祝う食事を“おせち”と呼んでいます。一つ一つの具材には込められた意味があります。例えば、黒豆には「まめに元気に働けるように」無病息災、数の子には沢山の卵が並ぶ様子から子孫繁栄、田作りには、以前小魚を田畑に肥料として撒き、田を作り五穀豊穣、を願っており、田作りは“ごまめ(五万米)”と呼ばれることもあります。さらに、“かまぼこ”は「日の出」を意味する新年の門出にふさわしい縁起物です。また、“きんとん”は金の団子や座布団という意味があり、「勝栗」とも言われ、武士の縁疑物として有名で金運上昇を願っております。すべての食材を説明しだすときりが無いので、この辺で止めておきますが、一つ一つの食材に込められた意味を考えながら、“おせち”を味わい、楽しんでみてはどうでしょうか。

 さて、世界情勢を見ますと、イスラエルとハマス、ヒズボラ間の争いは収まることなく、ロシアとウクライナ間の紛争も収まる気配はありません。トランプ新大統領は直ぐ収拾させると言っておりますが、簡単ではないでしょう。この不安定な情勢に異常気象が相まって、全ての物が値上がり、物価高に歯止めが効きません。国内情勢を見ても、少数与党と野党が協力して、どこまで生活を楽にしてくれるのか期待薄の状況です。確かにCOVID-19感染症は減少しましたが、インフルエンザ、マイコプラズマ感染症など注意が必要です。東都文京病院は、引き続き発熱外来、感染症の治療、ワクチン接種等、を通じて文京地区の感染症治療、予防に全力を注いでいく所存です。

 当院では、看護スタッフを補充し、4階病棟も改装オープンし、入院を断らない医療を心がけております。また、中断していた地域包括ケア病棟(急性期治療後の患者さんを在宅復帰のための看護やリハビリを支援する病棟)を再開し、治療後家に帰ることができるよう患者さんを積極的にサポートしていく体制を整えました。さらに、これに関連して訪問医療にも力を入れていく予定です。ハイパーサーミアによる温熱療法は軌道に乗り、希望される患者さんは着実に増加していますが、予約が取りにくい状況を招きご迷惑をかけております。スタッフを充実させ、取り組んで行きますので、ご希望の方は是非ご連絡下さい。また、予防医学が叫ばれる今、当院の人間ドックを是非活用して頂ければと思います。

 地域に根付いた中核病院としての責務を、今年も全うすべく職員一丸となって努力して参りますので、引き続きご指導、ご支援を宜しくお願い致します。改めまして、今年一年が皆様にとって良い年になることを祈念しております。

 

2025年1月

東都文京病院院長 窪田  敬一