CTとはコンピューター断層撮影のことです。
▪ガントリーという大きな円筒形の機械に寝台ごと入り、目的の身体部分にX線を用いて撮影し、コンピューター処理をすることで画像化する検査です。
▪当院は一度に広範囲の撮影が可能な64列MDCT（multi-detector-row CT）を2021年12月に導入しました。
主に頭部・胸部・腹部（肝臓・腎臓・すい臓）の撮影を行います。
＊一回の撮影で同時に複数のデータを収集することで撮影時間（息止め時間）を短くできます。
＊撮影後に複数のデータで任意の方向の画像や３D画像を作成可能なため診断に役立ちます。
▪検査時間は単純CT検査で５～１０分程度です。造影CT検査は１５～３０分程です。
レントゲン（左端）ではわかりにくい骨折線がＣＴ、特に３Ｄ（右端）だとわかりやすく診断や説明に役立ちます。
※造影CT検査とは：造影剤という薬を使用する検査です。造影剤を用いることで、血管や病巣がより分かりやすくなり、より正確な診断が可能になります。
造影剤を使用しない画像（左）でははっきりしない腫瘍が、造影剤を使用すると（右）はっきりと見えます。
また、腫瘍の染まり方でその腫瘍が悪いものかそうでないかを診断するのに役立つ重要な検査になります。
（ただし、腎臓の悪い方や以前造影剤でアレルギーが出た方など、使用できない方もいます、詳しくは医師へお尋ねください）
■ 冠動脈(心臓）ＣＴ検査について
冠動脈(心臓)CT検査とは、造影剤を用いて心臓の血管(冠動脈)を評価する検査です。撮影した画像を立体的(3D)に見たり、血管内を評価することで心臓を栄養する血管の状態を知る事ができます。
今まで冠動脈検査はカテーテルという管を血管内に挿入する検査(心臓カテーテル検査)が最も信頼できる検査方法であり、主流でしたが、近年技術の向上によりCTでもカテーテル検査と同程度の冠動脈の評価が可能になってきました。
また検査の時間もカテーテル検査は検査自体でおよそ１時間に加え、その後太い針を刺した箇所を圧迫止血する時間が必要なのに対し、CT検査ではおよそ２０分になります。
冠動脈CT検査では冠動脈の形態、走行や性状(石灰化や血栓など)を調べる事により虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の早期発見することが出来ます。また冠動脈バイパス術後の方やステント留置術後の方の経過観察もカテーテル検査よりも簡単に出来ます。
